以前、娘がモンテッソーリ教育を学べる幼稚園に転園した経緯やその後についてご紹介しました。
今回はそのモンテッソーリ教育について詳しくご説明します。また、特別な教具を使わず、お家でできるモンテッソーリもご紹介します。
目次
- モンテッソーリ教育とは?
- モンテッソーリ教育で身につく4つの力
- モンテッソーリ教具の特徴
- お家で出来るモンテッソーリのアイデア
- お手伝いからできるモンテッソーリ
モンテッソーリ教育とは?
環境を整え子ども自身で成長する力を伸ばすという教育法です。
モンテッソーリ教育の考え方の中に、子どもは生まれながらにして、自立・発達していこうとする力があるとされています。その力を「自己教育力」と呼び、この自己教育力を発揮させるためには、発達に見合った環境を整える必要があるとされています。
発達に見合った環境を整えるとはどういったものかというと、子どもの成長段階で、ある事柄に強く興味を持ち、同じことを繰り返す特定の時期(「敏感期」)があります。この敏感期に適切な物的環境と人的環境があれば対象の事柄の知識をいとも簡単に吸収するとされています。物的環境は敏感期に応じたモンテッソーリ教具であり、人的環境はその教具の使い方を教える人の事です。
敏感期は8つの種類に分けられており、各敏感期は始まるタイミングが異なります。敏感期には終わりもあり、その時期を過ぎてしまうと、能力の獲得が難しくなると言われています。子どもの敏感期を見逃さないようにアンテナを張っておく必要があるのです。

https://www.tenjin.cc/education/montessori/montessori-sensitive-periods/
各敏感期に合わせて行う活動の事をモンテッソーリ教育の中で「おしごと」といいます。
モンテッソーリ教育で身につく4つの力

モンテッソーリ教育のおしごとを通して4つの非認知能力が身につくと言われています。丘山亜未先生の著書「5歳までの魔法のおしごと」にわかりやすく書いてあったので一部抜粋して順番に紹介していきます。
1.自己効力感
「自分ならできる」「きっとうまくいく」という自分の力を信じる気持ちは、「自己効力感」といいます。自己効力感が高いと、物事に積極的にチャレンジできるだけでなく、たとえ失敗したとしても「次はどうしたらうまくいくか」という前向きな気持ちで、失敗を受け止めることができます。
自己効力感は、身近な人の「大丈夫」「あなたならできる」という励ましの言葉だけでなく幼児期のトライアンドエラーの経験と、成功体験によって育まれるものです。日常の中で、小さな成功体験をたくさん積めるのが、モンテッソーリのおしごとです。
2.感情コントロール力
小さな子どもは楽しいことや面白いことを見つけて集中すると「まだやる」と言ってなかなかやめたがりません。そんなとき、子どもに伝えるのは「終わったら、終わりにしてね」という言葉。モンテッソーリ教育では自分で終わる時間も決めます。するとひとしきり熱中した後に、もうおしまいにする!と手を止めるはずなのです。
ただ、回数を決めておく、事前に説明しておくなど、切り上げる方法を用意しておいても子どもが癇癪を起こし、どうしようもできないことは必ずあります。子どもが大泣きしたとしても「思い通りにならない」という経験は、子どもにとっても必要なものでもあるのです。
「思いっきり泣いた後に、気持ちを切り替える」
このプロセスを経ることで、本当に少しずつですが感情の切り替えが上手になっていきます。
3.学びの意欲と思考力
幼児期は「何に取り組んだか」よりも、その取り組みを通して集中したり、「自分で考える」という経験をすることが大切です。
「触りたい、やってみたい、知りたい」がスタートです。
大人を真似て学習していく幼い子供たちが、最初に興味を持つのは日常のことでしょう。つまり子どもがやりたがるおしごとには、子どもの学ぶ意欲を伸ばす力があるのです。
4.自分で選ぶ力、やり抜く力
おしごとは、自分で「選ぶ・決める」ところから始まります。自分で決める力のことを「自己決定力」といいます。
自分で選び、決めたことだから一生懸命取り組む。できるようになりたいから試行錯誤する。うまくいかなかったことは「どうしたらよかったのか」と考える。
最後までやり遂げられたらその体験が自信になり、また次の意欲へとつながっていく。このプロセスが「自分の頭で考え、行動できる力」を生み出します。
モンテッソーリ教具の特徴

ここまでモンテッソーリ教育についてご紹介しましたが、おしごとに使われる教具って何か特別な物なんじゃないかと思いませんか?教具は、五感や知的好奇心を刺激するなど、子どもの発達に合ったおしごとに、より楽しく集中して取り組めるように作られています。つまり、目的のあるおもちゃなのです!
モンテッソーリ教具には2つの特徴があります。
・子どもの特定の発達を促す明確な目的がある
・子どもの感性が豊かになるように素材や色彩にこだわって作られている
たとえば、散歩中に小石を溝のグレーチングの隙間に落とすことを何度も何度も繰り返す子どもがいたとします。その子どもは今「運動の敏感期」というとらえ方をします。使うのは、玉落としの教具です。子どもは「玉を穴に落とす」という明確な目的を楽しみながら、敏感期の欲求を満たしていきます。
また、豊かな感性を育むために素材や色彩にこだわり、子どもが思わず手に取りたくなるような工夫がされていることも、モンテッソーリ教具の特徴です。
さらに「本物」志向でもあります。したがって、誤って落としてしまった場合、割れる可能性のあるガラスや陶器なども使用しています。
お家で出来るモンテッソーリのアイデア
先程教具の説明をしましたが、本物の教具を手に入れるって難しいんじゃない?と思われる方もいるかもしれませんが、「本物=高価な物」である必要はないんです。今回は100円ショップで簡単に用意することできる、お家でできるモンテッソーリの教具をご紹介します。
用意するもの
- デザートグラス 2つ
- シュガートング 1つ
- ビー玉 1袋

使い方
- 1つのデザートグラスの中にビー玉を数個入れる
- シュガートングで何も入っていないデザートグラスにビー玉を移す。
- 2の作業までは見本として親御さんがお手本を見せます。
- あとはひたすら見守ります。子どもが自ら「助けて!」と声を掛けてくるまで口出しは無用です。
- 一連のおしごとが終わったらお片付けをします。片付けも子ども中心に行うようにします。
ビー玉をグラスに移すたびに綺麗な音が鳴って移す作業も楽しさを増します♪
ただし、この時の注意点として、ビー玉を口に入れてしまうと窒息の恐れがあるのでお子さんから必ず目を離さないようにしてください。
お手伝いからできるモンテッソーリ
先程ご紹介したアイテムって日常生活から切り取った動作に思えませんか?台所でおかずをお皿に取り分ける場面のような…
実はモンテッソーリの教具って、日常生活の一部分を教具に表していることが多いです。そんなに特別な仕掛けがある物ではないんです。
つまり、お手伝いをしてもらうことでモンテッソーリ教育を実践できるんです!
月齢によってかなり指先の能力が違ってくるので、我が家の娘達2才と5才がお手伝いと称して自宅でおこなっているおしごとをご紹介します。

料理をする場面を例にすると…
2才:卵をかき混ぜる、トマトのヘタ取り、ブンブンチョッパーをひく、クッキーの生地形成(ジップロックでもむ)、クッキーの型抜き等
2才の娘は卵をかき混ぜる作業とブンブンチョッパーをひく作業が好きなようで離れたところにいても何か察知してすぐ「わたしがする!」と言ってきます(笑)
クッキーの生地成型や型抜きは補助も必要でしたが、できる範囲で行うことでも満足そうでした。
5才:茹で卵の殻をむく、お米とぎ、野菜の皮むき、野菜を切る、ご飯をよそう、お茶を注ぐ等
5才の娘は目を向けていればほとんどできるようになってきており、卵の殻むきとクッキー作りはもはや戦力です!頼りになります!
「モンテッソーリ教育」というとなんだか難しいことが始まりそうな感じがしてしまいますが、実際はそんなことなくて、日常生活の動作を子どもが自分で行えるようになる練習、つまりお手伝いと思っていいんじゃないかなと思います。そしてこのお手伝いの時間も親子の心の触れ合い時間となって大事な一時になるのかなと思います。

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